営業時のアイスブレイクとは?一般的な話題から回避すべき話題まで解説
人と人が集まった時に、お互いが初対面だと緊張してしまい、なかなか打ち解けられないものです。そんな時に「アイスブレイク」と呼ばれる手法を用いれば、緊張を和らげてコミュニケーションを円滑にできます。ビジネスの世界にアイスブレイクを取り入れれば、会社の会議や研修、そして営業にも役立ちます。営業活動においては、緊張感をほぐしてスムーズな会話に入れる糸口となるのです。
この記事では、アイスブレイクの概要や一般的な話題・避けるべき話題、アイスブレイクを成功させるポイントなどについて解説します。
目次
アイスブレイクとは
ここでは、アイスブレイクの概要を理解するために必要性と活用するシーンについて解説します。
アイスブレイクの必要性
人によって程度は異なるものの、前述したように初対面では緊張してしまって会話が進まないことがあります。会議を例に挙げると、会議に参加するのは初めてという人や、今まで話をしたことのない人が参加している場合などでは、自然と緊張してしまい、活発な意見交換が難しくなってしみます。そのような時にアイスブレイクを知っていれば、場を和ませ参加者のコミュニケーションを活発にできます。
会議にアイスブレイクを取り入れると、本題から外れてしまうと思う人もいるかもしれません。しかし、アイスブレイクは会議を生産的なものにするためにも有効です。人が集まる場での会話のきっかけ作りとなるアイスブレイクは、会議でもその効果を発揮します。
アイスブレイクを活用するシーン
アイスブレイクは初対面の人が集まる場面や営業活動時だけでなく、顔見知りではあるもののお互いあまりよく知らないといった場面でも活用できます。例えば、会議、研修などの他にも、職場でのチームビルディング、学校、企業イベント、ワークショップ、歓迎会、懇親会などさまざまなシーンにもおすすめです。
そもそもアイスブレイクの語源であるアイス(氷)は緊張感や堅苦しさを意味し、ブレイクはそれを壊すという意味があります。緊張感や堅苦しさが伴う場面であれば、アイスブレイクを活用する価値があると言えるでしょう。
アイスブレイクはちょっとした準備と工夫があれば気軽に取り入れられます。雰囲気が張り詰めていてストレスが多い状況の中でこそ、アイスブレイクを取り入れると良いでしょう。
アイスブレイクの一般的な話題
アイスブレイクの一般的な話題は、頭文字を取って「キドニタチカケシ衣食住」と呼ばれるものが有名です。キは気候や季節、ドは道楽(趣味)、ニはニュース(時事ネタ)、タは旅(旅行)、チは知人、カは家族、ケは健康、シは仕事、衣は衣類、食は食事、住は住居を意味します。
これらは初対面の人とも会話のきっかけを掴みやすい雑談のキーワードで、これらのキーワードに関連して身近な事柄について話せば、相手との距離も縮まり打ち解けやすくなります。とはいえ、相手が忙しそうで雑談をしたくなさそうなときは、アイスブレイクはやめて早く本題に入りましょう。
避けるべき話題
アイスブレイクで使える代表的な話題は上述したとおりですが、避けるべき話題もあります。
宗教・政治
普段の何気ない会話でも宗教や政治の話題は避けたほうが無難と言われているように、アイスブレイクでもそれらの話題は避けましょう。宗教や政治は個人の思想や信条に深くかかわるものであり、人によっては譲れないラインを持っていることもあります。たとえ雑談であったとしても、アイスブレイクの話題としては不向きです。
宗教の話題はその宗派の教義や習慣に精通していなければ簡単に話せるものではなく、政治の話題は支持する政治家や政党が人によって異なるものです。宗教や政治のような思想信条にかかわる話題は相手と意見が対立してしまう可能性もあり、緊張を解くどころか険悪な雰囲気になりかねません。
芸能ネタ
芸能ネタは人によって興味の有無が別れ、芸能界のことをよく知っている人もいれば芸能人の名前すら知らない人もいます。場合によっては、相手が特定の芸能人の熱烈なファンで関心の高いことが分かっていれば、話が盛り上がることもあるでしょう。
しかし、芸能関係の話題に興味のない人にとっては、芸能ネタを持ち出しても退屈なだけで話が広がることは期待できません。また、興味があったとしても応援する芸能人が相手と異なれば意見が対立してしまう可能性があります。相手が興味を持っていて好みがこちらと合うようであれば芸能ネタを持ち出しても構いませんが、確かな情報を得られていない場合は避けたほうが良いでしょう。
恋愛
恋愛は個人の私生活にかかわることであるため、特に初対面では相手のプライベートな領域に無神経に踏み込むような話題は不信感を抱かせてしまう恐れがあります。「付き合っている人はいますか?」「最近異性とデートしましたか?」などといった質問は典型的なNGワードで、デリカシーに欠ける人間だと思われてしまいます。
どうしても異性のことを聞きたいのであれば、「理想とする人はどのようなタイプの人ですか?」などといった価値観を聞くだけに留めておいたほうが良いでしょう。
アイスブレイクを成功させるポイント
ここではアイスブレイクを成功させるために意識すべきポイントについて解説します。
事前の情報収集を習慣付ける
ビジネスの場でアイスブレイクを実施するのであれば、日頃から事前の情報収集を習慣づけておくとより効果的に活用できます。顧客も1人の人間であり、人が変われば興味を持つ話題も変わるため、アイスブレイクで効果を上げたいなら話題の引き出しを豊富に用意しておく必要があります。
例えば、顧客の業界に関するニュースを調べておけば、お互いの立場や年代が違っていても話題の切り口として効果があがる可能性があります。ニュースに限らずさまざまなジャンルの情報を日頃から広く集めておけば、応用力が高まるでしょう。
相手との共通点を探す
人の心理として、共通点を持つ相手に対しては親近感が湧きやすいものです。心理学ではこれを「類似性の法則」と呼んでいます。この類似性の法則をうまく使って、相手と共通の趣味や好きな食べ物、出身地などを探し出すことが、アイスブレイクを成功させる一つのポイントです。
初対面だからといって相手のことを知るために質問攻めにするよりも、こちらの嗜好や属性を自己開示してお互いの共通点を見つけることが、より効果的なアイスブレイクにつながります。
長くなりすぎないようにする
アイスブレイクの時間を長く取れば相手と深くコミュニケーションができて、信頼関係を築けることもあるかもしれません。しかし、時間が押して本題に支障が出る恐れがあります。また、アイスブレイクに重きを置くと、メリハリのない雰囲気になるため注意しましょう。
また、時間が押して本題がおろそかになれば本末転倒です。アイスブレイクは、あくまでも本題をスムーズに話し合うためのツールのようなものです。限られた時間を有効に使うためにも、アイスブレイクは5分から10分程度で切り上げて本題に入ることが大切です。
まとめ
この記事では、アイスブレイクの活用シーンや重要性、注意点について解説しました。誰でも初対面の人を前にすると、多かれ少なかれ緊張するものです。緊張状態が続いたままでは会話が広がらず、お互いに本心を伝えることができません。このような緊張した場の雰囲気を和ませて、相互にリラックスした状態でフランクに話せるようにするのがアイスブレイクの役割です。
加えて、会話を通してお互いの人間性やバックグラウンドなどを理解し合えるのもアイスブレイクのメリットです。意見の別れやすいデリケートな話題は避けて、お互いが気楽に話せる話題を選ぶように心がければ、アイスブレイクを有効活用できるでしょう。数分で行える手軽な方法なので、ぜひ気負わずに試してみてはいかがでしょうか。