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リードナーチャリングがもたらす効果とは?そのプロセスや方法を解説

リードナーチャリングとはマーケティングのプロセスの1つで、獲得したリードの購買意欲を高めることにより、将来的な売上につなげる施策です。リードナーチャリングは、売上を上昇させるために有効な手段です。

この記事では、リードナーチャリングの効果について詳しく解説します。

 

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、これまでのマーケティング施策によって獲得したリード(見込み顧客)の「育成」を行うことです。見込み顧客のニーズに合わせた情報提供・アプローチにより、自社商品の購買意欲を高めることを目的とします。SNSを通じてリードとやり取りをする、メルマガ配信によって定期的に情報を発信するなど、その方法はさまざまです。

リードナーチャリングの重要性

リードナーチャリングは、マーケティング戦略において重要な役割を果たしています。その背景には「情報収集方法の拡大」が関係しています。

ひとつは、買い手側が自ら商品を比較・選択できる機会が増えたことです。インターネットやSNSの普及が進むなかで、商品やサービスを慎重に見比べながら購入を検討できるようになりました。これにより、リードが商品購入に至るまでの時間は長くなり、さらには求められる情報量も多くなっています。そのため、リードのニーズに合った情報を発信し続けることが、一層求められているのです。

そしてふたつ目は、買い手側の購入経路・経緯パターンの複雑化です。以前までは、顧客が自社商品・サービスを認知し、購入に至るまでのプロセスはある程度一本化していました。しかし近年は、SNSなどを通じた企業のプロモーション活動が多様化したことで、顧客が購入に至った経緯が見えにくくなりました。そんな現状を打破するためにも、リードナーチャリングにより購入までのプロセスを仕組み化する動きが高まっているのです。

リードナーチャリングがもたらす効果

リードナーチャリングは、購買意欲を高める以外にも数々のメリットがあります。ここでは主なメリットについて4つ紹介します。

顧客との信頼構築ができる

顧客が商品を購入する際に、商品の価値だけでは購入を決めない可能性があります。例えば、好きなブランドや以前購入した企業の商品であれば、少々値が高くても購入したり、他社と比較をせずに購入に至ったりする可能性があるでしょう。

このように、自社のファンになってもらうことで、ライフタイムバリューを高めることができます。メルマガやSNSで有益な情報を得たり、セミナーに参加したりしている顧客は自社に信頼をおいている状態にあります。リードナーチャリングは顧客との信頼構築にもつながる活動なのです。

見込み顧客の絞り込みができる

メルマガ購読率やSNSを通じた連絡頻度の高さなどから、自社への興味が高いリード(ホットリード)を見極めることができます。繰り返しリードナーチャリングを続けることで、当初は関心の薄かったリード(コールドリード)がホットリードへと変化する効果も期待できるでしょう。

営業コスト削減と業務効率化ができる

以前は営業活動をする際、見込み顧客の会社に訪問し、資料を手渡しすることが多かったのではないでしょうか。しかし近年では、インターネット上にコンテンツを用意することで、見込み顧客が自分で情報を入手するようになりました。これによりコストを掛けずに、継続的に営業を行うことができます。

また、コールドリードにはメルマガやSNSを通じたリードナーチャリングを、ホットリードには手厚くリードナーチャリングを行うなど、効率的に営業を行うことができます。

機会損失を防げる

リードが求める情報を適切に提供できていない場合、購入意欲が薄れる・競合他社へと移ってしまうなどの「機会損失」が起こる可能性があります。しかし、リードナーチャリングによってリードとの関係性を維持することで、これを防ぐことができます。

リードナーチャリングの注意点

リードナーチャリングには、施策を行うまでにコストがかかるなどの注意点があります。ここではおもな注意点を2つ解説します。

人的コストがかかる

リードナーチャリングを行うまでに、ターゲットとなるリードの獲得やメルマガ作成、SNSの運用などに多くの人的コストがかかることは注意すべき点の1つです。リードナーチャリングには、このような人材確保なども考慮する必要があります。

軌道に乗るまでに時間がかかる

リードナーチャリングは、時間をかけて顧客の意向度を上げていく施策のため、すぐに効果が出るものではありません。そのため、今すぐに売上を上げたい、といった場合には不向きな手法といえます。

ただし時間がかかる分、顧客の継続的な獲得サイクルができれば、高い効果が見込めます。

リードナーチャリングの効率を上げるプロセス

リードナーチャリングは、適切なプロセスで進めることで最大限にメリットを得ることができます。ここでは、リードナーチャリングをする際のプロセスについて解説します。

顧客情報を一つにまとめる

まずは、自社にあるリード情報を1つにまとめましょう。営業担当者ごとに個別に管理しているリードを1つにまとめることで、情報の抜け漏れや重複をなくすことが可能です。営業部門全体で情報を共有すると、現在の営業活動における課題が可視化され、目的意識をはっきりとさせることができます。

リードをグループごとに分ける

次に、1つにまとめたリード情報から、顧客を性別や年齢、職業や過去の取引履歴などをもとにグループ分けを行います。分類した顧客から、自社の商品を手に取る可能性のある顧客を見極め、アプローチすべき顧客を割り出しましょう。

顧客の購入プロセスを細分化する

顧客をグループ分けしたら、顧客が商品に興味を持ってから実際に購入するまでの段階ごとに、顧客を細分化します。細分化には、「AIDMA」「AISAS」「DECAX」などのフレームワークを用いるか、スコアリングを使いましょう。

段階分けを行ったら、どのような思考から実際にどんな行動を起こすのか、段階ごとの顧客動向を分析します。動向を分析することで、顧客が抱える課題を可視化します。

課題ごとに適切なナーチャリング施策を決定する

顧客の課題から興味や関心があるテーマを発見し、メルマガやSNSでの情報発信やセミナーを行いましょう。顧客の課題を理解したリードナーチャリングを行うことで、顧客の商品購入の動機付けが期待できます。

各ナーチャリング方法のゴールを設定する

見込み顧客は、次のように大きく分類することができます。すでに商品購入を検討しており今すぐにアプローチができる顧客と、まだ商品購入を検討していないものの、近々アプローチができる顧客の2種類です。

見込み顧客がどのような状態になったらナーチャリング完了とするのか、ラインを事前に設定しておきましょう。ライン設定により無駄を省き、各見込み顧客に対しても適切に時間を割いて、効率的な営業活動を行うことができます。

MAツールでナーチャリングを効率化しよう

見込み顧客数が膨大な場合、特定の情報からグループ分けするのも大変な作業になります。そこでMAツールを用いれば簡単に特定の情報で見込み顧客を抽出できたり、購入プロセスを分けて自動的にメルマガを配信したりできます。

そもそもMAツールとは

MAツールとは、リード獲得から育成までを自動化・効率化し、リード情報を一元管理できるツールのことを指します。リードが商品を購入するまでの動きを把握したり、自動的に最適なアプローチを行ったりすることができます。

MAツールを用いるメリット

MAツールを用いることで、ホットリードのみに営業活動を集中させることができます。顧客数が増えれば増えるほど、営業活動の工数が増加し、営業担当者への負担は大きくなります。MAツールを用いて顧客情報を分析・管理し、コールドリードに割く時間を減らすことで、ホットリードへアプローチを集中させることが可能です。その結果、業務の工数を削減しつつも商品購入までつなげ、利益を最大化する効果が期待できます。

MAツールの主な機能

MAツールのおもな機能は以下の通りです。

顧客情報の一元管理

見込み顧客に関する情報を一元管理することができます。顧客が所属する会社の業種から売上高といった情報から、担当者の部署や役職などの属性情報を管理できるのです。

リード情報一括インポート

会社が蓄積した見込み顧客情報を、まとめて取り込むことができます。MAツールの中には各種システムと連携しているものがあります。そういったツールであれば、リード情報をCSVなどのデータにまとめなくても簡単にデータを取り込めるため、業務を効率化することが可能です。

リードのスコアリング

見込み顧客がホットリードであるかコールドリードであるかを判断するためのスコアリング機能があります。見込み顧客の行動や属性で得点を付与していき、一定のスコアに達した顧客をホットリードであると判断します。その後は営業部門に引き継ぐことで、効率的に営業活動が行えるでしょう。

フォーム作成

お問合せフォームなどを簡単に作成できます。HTMLやCSSといったWEBの専門知識を持っていなくても、簡単にフォームを作成可能です。

まとめ

リードナーチャリングとはマーケティング施策で獲得したリードを、ニーズに合わせた情報提供やアプローチによって育成し、自社商品の購入意欲を高めるものです。顧客との信頼関係を築くことができ、また営業コスト削減と効率化が可能となります。

しかし、リードナーチャリングはすぐに効果を発揮するものではありません。長い目で効果を分析し、見込み顧客に対して継続的に情報を提供する必要があります。MAツールを使えば、長期的かつ自動的にリードナーチャリングを行うことが可能です。

この記事を参考にリードナーチャリングを効果的に行い、自社の継続的な売上に貢献しましょう。

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この記事を書いた人

a.kusanagi
a.kusanagi

エッジテクノロジー株式会社AIプロダクト事業部マーケティング担当。営業ノウハウをわかりやすく記事にまとめてお届けします。

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