おすすめの営業フレームワークは?営業戦略の立て方を徹底解説
フレームワークとは、日本語で「枠組み」を意味する言葉です。ビジネスにおいては、業務を効率化できる仕組みを指し、戦略を立てるために用いられます。さまざまな企業や組織で利用されているフレームワークは、営業組織でも、現状を分析したり、営業戦略を立てたりすることに使われています。
この記事では、営業フレームワークの選び方や活用方法を解説します。
目次
営業のフレームワークとは
過去のデータから成功したデータを抽出し、体系化した枠組みやパターンのことをフレームワークと呼びます。フレームワークは主に、経営戦略や事業戦略などの計画を立てるためのものです。マーケティングやリスクマネジメントなどにも利用されていますが、営業部門でも戦略を立てる際や商談の資料などにも有効活用されています。
営業戦略の立て方
営業戦略に関しては、企業の方針、目的は営業スタイルなどによって異なるため、絶対的な戦術は存在しません。しかし、まっさらな状態から戦術を練るのが大変であることも事実です。ここでは戦略の立て方を解説します。
マーケットを調査する
営業戦術においてまず重要なのが、顧客情報や市場を調査することです。顧客の年齢や性別、職種などの属性と顧客のニーズをヒアリングして分析し、なぜ自社製品に興味を持ってくれたのか、また購入するのに至ったのかを調べます。ターゲットを分析することで戦術を立てやすくなり、行動計画もまとめやすくなります。
現状を分析し課題を見つける
自社が置かれている状況を客観的に見直し、抱えている課題を抽出することも戦略を立てるうえで大切です。課題を抽出できなければ、問題を解決することが困難になり、製品の品質改善が不可能です。フレームワークを使うことで、課題を発見して営業目標を設定し、見通しを立てやすくなります。
実際に戦略を立案する
マーケットの調査と現状分析による課題を洗い出したら、戦略の立案を始めましょう。営業戦略は周知する必要があるため、誰にとってもわかりやすいものにする必要があります。また、具体的な数字を用いて戦略目標を立てることも重要です。訪問件数や成約数などのノルマを設定することで、戦略目的をわかりやすくし、営業を成功させやすくなります。
フレームワークを活用するメリット
フレームワークを活用するとさまざまなメリットがありますが、ここからは特に大きなメリットを3つ解説します。効率的で便利なフレームワークを利用して、営業活動を有利に進めていきましょう。
効率的な戦略立案ができる
営業戦略を立案しようとしても、はじめは何から手を付けたら良いかわからず、目標も漫然としたものになってしまうことがあります。フレームワークを使うことで、現状の把握や課題の抽出を効率化でき、明確な目標設定を行えます。
軌道修正がしやすい
いくら現状分析をし、戦略を練って目標を決めても、すべてが思いどおりに進むとは限りません。目標設定とは違う結果が出そうな時は、柔軟な軌道修正が必要になるでしょう。フレームワークを利用していれば、なぜ目標設定どおりに進まないのか、原因を把握しやすいため、軌道修正も容易になります。
提案の説得力が増す
現状や目標を明確にすることで、提案する際の説得力が増します。フレームワークを利用することで、顧客のニーズや傾向などをより掴みやすくなっているため、商談の提案もしやすくなるでしょう。
おすすめのフレームワーク3選
いざフレームワークを利用しようとしても多種多様なものが存在し、どれを利用したら良いか頭を悩ませてしまうかもしれません。ここからは3つのフレームワークの特徴をご紹介します。利用目的に合ったものを取り入れてみましょう。
3C分析
3C分析はマーケティング環境を分析し、市場・顧客や競合他社、そして自社環境を把握できるフレームワークです。「Customer」「Competitor」「Company」の頭文字をとって3Cと呼ばれます。現状を把握することで戦略を立てられるので、初めに使うのが3C分析になるでしょう。
3C分析は事実のデータを集めることに向いています。インターネットで調べるだけではなく、自身の足を使って行動し、生の声を聞くことが大事です。生の声を聞くことで、よりリアリティのある戦略をたてられます。
3C分析に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
SWOT分析
競合他社やマーケットなどの外部環境と、自社のブランドや商品価値といった内部環境を、良い面と悪い面に分けて分析するのがSWOT分析です。「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の頭文字からその名がつきました。SWOT分析は、自社の強みと弱みを把握し、機会と脅威を分析することに長けています。3C分析で集めたデータを細分化し、プロセスをより良くするのに役立つフレームワークです。
SWOT分析は元々、経営の戦略策定やマーケティング戦略に利用されていました。内部環境である強みと弱みは、自社のサービスや商品の価格、資源などを指し、コントロールできます。機会や脅威は外部環境で、市場環境や景気、社会動向、政治経済など、自社でコントロールできないものを指します。
SWOT分析における「機会」とは、組織を競合他社より有利な地位に置く取り組みのことです。一方で「脅威」は問題が起こる可能性のことをいいます。
これら4つの要素を組み合わせたのが「クロスSWOT分析(TOWS分析)」です。クロスSWOT分析を行うことで、さらに細分化した要素を多角的に分析でき、効果的な戦略策定が可能になります。
SWOT分析については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4P分析
4P分析は「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(販売場所)」「Promotion(販促活動)」の4つの頭文字をとった分析方法です。主にマーケティング戦略に使われるフレームワークで、STP分析などで選び抜いた販売戦略を具体的に行う分析手法となっています。この4つのPは、それぞれ別々のものとして捉えても、組み合わせた際にまとまりのあるものにならず、顧客にとって魅力のあるものになりません。
「Product」では顧客に満足していただけるような製品を考えます。「Price」でその製品の価格設定を行い、「Place」ではその製品を販売する適切な場所を探します。そして「Promotion」でその製品の販促方法を考える、といった4つの方法を順に行って顧客満足度の高い製品を生み出すのです。
まとめ
フレームワークを利用することで、営業商談などの現場を有利に進め、商品やサービスをより多くの方に提供することが可能となります。紹介したフレームワークのほかにも「PEST分析」や「FABE分析」「営業フレームワークBANT」なども利用して、効率的に営業を行えるよう工夫しましょう。