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営業活動を最適化する営業フローとは?ケース別の営業フローを詳しく解説します

営業活動を最適化する営業フロー

新型コロナウイルスの流行により、人々の生活様式が変容し、ビジネスの世界でも営業活動の手法が大きく変化しました。それに伴い営業チャネルの多様化が進み、企業の売上を拡大させるファクターとして、営業活動全体の手順書となる営業フローが重要視されています。

営業フローは業種・企業ごとで多種多様です。この記事では、さまざまな場面に応じた営業フローについて詳しく解説します。

 

営業フローとは

営業フローとは、営業活動全体の流れの中で、ステップごとに行う具体的な手法を可視化したものを指します。アプローチ方法から商談・受注・契約の各段階でとるべき具体的な営業手法だけではなく、電話口での応対内容や、メールの文面なども含まれます。営業活動全体を網羅したマニュアルのようなものであると考えると分かりやすいでしょう。

なお、営業フローと似た用語として「営業プロセス」があります。営業活動を可視化するという点では同じですが、それぞれが示している内容に違いがあります。

顧客対応などの詳細なオペレーション手法を明文化したものが営業フローです。それに対して営業プロセスは、顧客とのアポイント獲得から契約に至るまでの営業工程の骨組みを可視化したものです。大枠となる営業プロセスを組み立てた上で、多種多様な業務にあたるための基本的なマニュアルとして営業フローが必要となります。

営業フロー作成のメリット

営業フローを作成することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは主な3つを紹介します。

営業部門全体のスキル向上

営業フローの作成により、従来は属人化することの多かった成約に直結する営業活動を平準化して共有可能になります。あらゆる場面を想定した営業フローが用意されているため、たとえ新人であっても自分で営業フローを確認することで、成約に至る確立が高くなります。

結果として、営業部門全体でスキルの底上げを図ることができるのです。あわせて、激務になることの多かった営業担当の負担を軽減し、早期離職を防ぐ効果もあります。

改善点を把握しやすい

営業方法の標準化により、部門全体の営業フロー統一が実現可能です。不具合があれば、フローのどの部分でトラブルがあったのかを特定して確認できるため、その場で改善点を洗い出すことができます。

必ずサンプルケースが採れるので、短期間での改善にもつながります。そのため、コンプライアンスの変更にも対応し、運用しながら常に最善の営業フローにアップデートすることができるのです。

対応漏れを防げる

業務内容が明確になっているため、社員のキャリアに関わらず顧客対応ができます。ひとりの営業職員が複数の顧客を担当するケースでも、基本的にフローの流れに沿えば、問題なく業務を完結できます。きめ細やかな対応により、顧客とのコミュニケーションの齟齬による思わぬ失注を防ぐ点もメリットです。

ケース別の営業フロー

ケース別の営業フロー

営業フローは顧客の属性によって異なります。ここでは主なものとして、既存顧客と新規顧客、および問い合わせ対応時のフローをご紹介します。

既存顧客へのアプローチ時の営業フロー

既存顧客を掘り起こすアプローチでは、顧客企業の現在の経営状況やニーズ、過去の購入履歴などが重要な要素となります。すでに取引があるので一定の信頼感が構築されているため、どれだけ顧客にとって有益な情報を伴うアプローチができるかがポイントです。比較的高い成約率が見込まれるので、インサイドセールスとの連携や、MAツール、SFAツールなどの活用も鍵を握る要素になります。

新規顧客開拓時の営業フロー

新規顧客の開拓方法は、「プッシュ型」と「プル型」の大きく2つに分けられます。飛び込み営業のような、顧客に積極的に働きかけるプッシュ型営業は、継続的に連絡をとり、長いスパンで見込み顧客に成長させることが重要です。テレアポを断られた場合はメールでコンタクトを試みるなど、さまざまなケースを想定した営業フローが理想的です。

自社SNSアカウントへのアクションなど、顧客から興味を持って動いてもらうプル型営業では、顧客から反応があればスピーディーに対応します。顧客の熱量が高いうちに接触を図り、商談につなげることが重要です。スピード感こそが成約に至るポイントであるため、迅速に対応しましょう。

問い合わせ対応時の営業フロー

問い合わせ対応など、顧客側からのアクションが起点となる営業活動をインバウンド営業と呼びます。HPに設置されている問い合わせフォームや、電話やメールによる問い合わせも含めて、顧客が高い興味を持っていることが明確であるという点が特徴です。商品やサービスのことが気になっている状態か、すでに購入を検討しているのか、顧客の温度感に合わせて、無駄な説明は省略し積極的でスピード感のある対応が求められます。

BtoBとBtoCで営業フローは違う?

BtoBとBtoCでは、営業フローも異なります。それぞれの違いや特徴について理解した上での営業活動実施が重要です。

BtoBの営業フロー

リストをもとに積極的にアポイントを獲得し、顧客に自社を認知してもらうことがスタート地点です。アプローチの段階から意思決定に関わる人物を特定し、可能な限り直接商談を重ね訴求しましょう。リモートを好む企業であれば迅速、かつ柔軟に対応します。一件の成約に対して収益が大きいため、長期的な営業活動の用意をします。

商談の際は、必ず顧客企業にとって役立つ情報を提供することが大切です。先方に、時間を無駄にした感覚を与えてはいけません。従来の営業手法に加えて、インサイドセールスの部門を強化し、ターゲティングの精度を上げ、成約率の向上と営業活動の効率化を両立させましょう。

BtoCの営業フロー

BtoBに比べ、BtoCではシンプルな営業フローになります。アプローチする個人が購入者となるため、信頼関係が構築できれば短時間で成約するケースもあります。リストを用意し、SNSやメールマガジンなどで継続的に情報発信を行い、自社と商品の存在を認識してもらいましょう。

まとめ

この記事では、営業活動を最適化するための営業フローを紹介しました。近年は飛び込み営業やテレアポといった従来の営業スタイルから、リモートやSNSを通じたオンライン営業へと変化しつつあります。運用する営業担当の皆様にとっては、日々の業務量が増え、混乱する場面もあるのではないでしょうか。そのようなシーンで役立つのが、社内に共有されている営業フローです。充実した営業フローを運用し、細分化した業務を把握して効率的に営業力の強化を図りましょう。

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この記事を書いた人

a.kusanagi
a.kusanagi

エッジテクノロジー株式会社AIプロダクト事業部マーケティング担当。営業ノウハウをわかりやすく記事にまとめてお届けします。

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