リードナーチャリングとリードジェネレーションとは?2つの違いを解説
BtoBマーケティングにおける重要な要素として、リードジェネレーションとリードナーチャリングというものがあります。これらは、日本国内においては比較的新しいマーケティング手法です。
しかし「言葉は聞いたことがあるけれど、詳しくは知らない」「2つの言葉の違いがわからない」という方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、リードジェネレーションとリードナーチャリングについて、それぞれの用語の意味や違いを解説します。
目次
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い
リードジェネレーションとは、見込み顧客を「獲得」するための施策のことを指します。そして、リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客を「育成」するのがリードナーチャリングです。
この2つは単独で存在するものではなく、お互いに強く結びついています。BtoBマーケティングは、これらのステップを踏んではじめて成立するのです。
リードジェネレーションとは
見込み顧客の獲得、つまり「新規開拓」や「発掘」をするのがリードジェネレーションです。これまで接点のなかった事業者に自社の商品をアピールし、ゆくゆくは顧客になってもらうことを目指します。見込み顧客獲得のきっかけは、1本の問い合わせから始まったり、イベントで交流を持ってからアプローチしたりとさまざまです。
リードジェネレーションの具体例
リードジェネレーションの手法としては、以下の4つが代表的です。
- イベントの開催
- コンテンツマーケティング
- Web広告
- SNS発信
セミナーや展示会などのイベントのみならず、近年はオンラインでのつながりが増えています。特にSNSの影響は大きく、どの企業も試行錯誤しながら運用を図っている現状があります。
リードジェネレーションの目的と効果
リードジェネレーションの目的は、より多くの見込み顧客に自社の商品やサービスを知ってもらうことです。さまざまな商品が出回る世の中で継続的に利益を上げるには、顧客と良好な関係を保つことが重要になります。
リードジェネレーションを行うことで、企業と顧客との間で常にコミュニケーションを交わせる状態を作り上げることが可能です。そのため、見込み顧客との関係構築の観点から、リードジェネレーションは欠かすことのできないプロセスだといえるでしょう。
リードジェネレーションの注意点
リードジェネレーションを実施するうえでは、いくつか気をつけるべきことがあります。特に以下の3点に注意しながら進めましょう。
- リードの質に注目する
- 部門間で密に連携をとる
- 個人情報の取り扱いは慎重に行う
リード情報は、必ずしも数多く集めればよいというわけではありません。質にもこだわってリード集めを行わなければ、無駄なコストが多く生じてしまいます。
また、近年多発しているのが、個人情報流出などのトラブルです。もし顧客情報に関するトラブルを起こした場合、自社や顧客に大きな損失を与えるだけでなく、企業の信頼度が大きく下がってしまいます。
リードを獲得するための方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングの本質は、リードを顧客まで「育成」することです。リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得した見込み客の興味をひきつけ、つなぎ止めるための施策です。最終的に商品・サービス購入へとつなげるには、顧客と密にコミュニケーションを取ることが重要になります。
リードチャーナリングの具体例
ここでは、リードナーチャリングの具体的な手法を5つご紹介します。
- メールマーケティング
- イベント開催
- インサイドセールス
- オウンドメディアの展開
- キャンペーンの実施
メールマーケティングとは、いわゆるメルマガ配信による営業手法です。メルマガ制作は低コストで行うことができ、手間もかからないため、一般的に広く用いられています。
また、4番目に挙げたオウンドメディアの展開は、今後特に力を入れるべき施策です。昨今、インターネットの記事を通した情報収集が当たり前となったことで、オウンドメディアの重要度はより増しています。自社ならではの情報を発信する場として、しっかりと戦略を立てて運用すると良いでしょう。
リードナーチャリングの目的と効果
リードナーチャリングの目的は、獲得したリードが自社に抱いている興味を高く保つことです。粘り強くアプローチを続けることで、リードが他社製品に目移りしないようにします。
見込まれる効果として挙げられるのは、営業活動の効率化とコスト削減です。やみくもに営業活動を行っていては、営業担当者は疲弊し、経費もかさんでしまいます。リードナーチャリングを行うことによって、リードごとに状況を適宜管理することで、適切かつ効率的な営業活動を行うことが可能になるのです。
リードナーチャリングの注意点
リードナーチャリングを実施するにあたり、注意すべきポイントとして以下の2点が挙げられます。
- 顧客目線でアプローチする
- 部門間の連携を図る
ただ単に自社側から情報を押し付けるのではなく、顧客の目線からニーズを考えることが大切です。「もし自分が顧客だったら、何を知りたいだろうか」と発想を転換させ、購買までのプロセスを明確に示す必要があります。マーケティング部門・営業部門と顧客獲得プロセスを共有し、しっかりと目的意識を持って共同作業として臨みましょう。
リード獲得から育成までの流れ
ここまではリードジェネレーション・リードナーチャリングについて、用語の意味や効果、注意点を解説しました。では、具体的にはどのようなプロセスを経て商品・サービスの購買につなげていくのでしょうか。この項ではリード獲得から育成まで、一連の流れを解説します。
準備をする
まずは見込み顧客の獲得、つまりリードジェネレーションを行う前の準備から始めましょう。最初にすべきことは、これまでのマーケティング活動に関する現状把握です。さまざまなデータを分析して振り返り、足りないものは何か、もっと伸ばせる部分はないか確認します。競合他社との違いと市場状況を合わせて把握すれば、自社の現在地を知りつつ今後の戦略を練ることができます。
その次はターゲットとペルソナを定めます。トレンドやニーズを鑑みながら、どのようなリードに向けて商品を展開していくのか絞っていきましょう。また、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定することも大切なプロセスです。KPIに基づいて意識を共有し、PDCAサイクルを回すことが成功への近道になります。
リードジェネレーション施策を決める
準備段階で立てた戦略をもとに、実際にアクションを起こしていきます。一般的に、リードジェネレーション施策には即効性があり、効果が出たかどうかがはっきりとわかります。そこで重要になるのが、スピード感を持って状況の把握と改善を行っていくことです。前項で挙げたさまざまな手法を駆使し、良質なリードの獲得を目指しましょう。
リードナーチャリングを実施する
リードジェネレーションによってリードを獲得したら、購入までつなげられるようリードを育成するステップに移ります。見込み顧客の購買意欲を向上させること、自社の信頼を高く保つことを意識して施策を実践していきます。顧客情報を把握したうえでリードと適切なコミュニケーションを取り、良好な関係を構築しましょう。
中長期的に運用できる手法が多いリードナーチャリングですが、さらにもう一歩踏み込んだ施策があります。それがリードクオリフィケーションと呼ばれるもので、高い購買意欲を持つ顧客を見極め選別する手法です。これにより営業活動の能率や効果を一層高めることができるため、あわせて理解しておきましょう。
まとめ
この記事ではリードジェネレーションとリードナーチャリングの違い、それぞれの具体的な手法や流れについて解説しました。BtoBマーケティングにおける重要な要素として注目を浴びている両者について、理解を深めることはできたでしょうか。この記事で紹介した手法を取り入れ、顧客獲得と育成の成功を目指しましょう。