BDRとは?注目される背景や具体的なアプローチ法なども紹介
中堅企業や大手企業をターゲットにした新規開拓がうまくいかず悩んでいる方は、BDRを取り入れてみてはいかがでしょうか。BDRとは、中堅・大手企業をターゲットにした新規開拓を成功させる方法であり、インサイドセールスの一種です。
この記事では、BDRの概要や具体的なアプローチ方法、導入方法について解説します。
目次
BDRとは
ここでは、BDRの仕組みやSDRとの違い、BDRがターゲットにする企業について解説します。
BDRの仕組み
BDRとはBusiness Development Representativeの略称であり、主に大企業をターゲットに新規開拓を行うインサイドセールス手法です。
インサイドセールスとは、DMやメール、電話などを活用した内勤営業を指します。BDRは新規開拓型であるため、インバウンド(問い合わせなどによる顧客から企業へのアプローチ)ではなく、アウトバウンド(企業から顧客へのアプローチ)を主体として営業を行います。
SDRとの違い
SDRとは、Sales Development Representativeの略称であり、既に獲得済みの企業をターゲットにアプローチするインサイドセールス手法です。
BDRが新規開拓型であるのに対して、SDRは反響型であり、主に顧客からの問い合わせなどに対応する手法であるため、SDRは受動的な営業手法といえるでしょう。
また、BDRのターゲットは主に大企業ですが、SDRでは中小企業をターゲットとしているのが一般的です。
BDRがターゲットにする企業
先述したように、BDRではエンタープライズ企業(中堅・大手企業)をターゲットにします。具体的には、従業員規模100人以上500人未満の中堅企業と、従業員規模500人以上4000人未満の大手企業が主なターゲットです。
エンタープライズ企業との取引は案件規模が大きいことに加え、チャーンレート(解約率)が低い傾向があり、安定して高い収益を見込めます。しかし、商談化する確率は低いため、営業活動には工夫が必要です。
BDRが注目されるようになった背景
ここからは、BDRがなぜ注目されるようになったのか、詳しく見ていきましょう。
SaaSビジネスの影響
BDRへの注目が高まっている背景には、SaaS市場の急成長があります。
SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、提供会社が提供するサーバー上にあるソフトウェアを、ユーザーがインターネットを経由して利用する形態のサービスを指します。代表例は、ビジネスチャットやプロジェクト管理ツール、電子契約サービスなどです。働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大を要因としたリモートワークの普及に伴い、近年SaaSの市場が拡大しています。
SaaSビジネスで収益を上げるためには、新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客からの継続的なサービスの利用が不可欠です。そのため、長期取引につなげやすいエンタープライズ企業をターゲットにしたBDRの必要性が高まったのです。
中小企業開拓の限界
SaaS企業において顧客が中小企業だけの場合、ビジネスが停滞期に突入すると成長が伸び悩んでしまいます。SMBの場合、一企業あたりの取引単価が低いことに加え、早期解約のリスクもあるためです。
BDRの具体的なアプローチ方法
ここでは、BDRの具体的なアプローチ方法について解説します。
架電・メール
既に獲得しているリードに対して、有意義な情報を電話やメールで提供する方法です。
相手方企業のWebサイトやIR情報をリサーチして相手が抱えている課題を推測し、解決策を盛り込んだ情報を提供するとより効果的です。
しかし、架電を行う場合は、先方にしつこいと思われないよう頻度に注意を払う必要があります。先方の立場に立ってコミュニケーションを取りましょう。
イベント
企業交流会やセミナー、展示会などのイベントを開催し、参加者を集める手法です。自社の商材に興味を持つ可能性の高い潜在リードに効率的にアプローチできるため、最初から確度の高いリードの獲得を期待できます。
イベントでリードを獲得するためには、参加者と交流する必要があります。積極的な名刺交換はもちろん、アンケートなども活用するなど、アプローチ方法を工夫しましょう。
イベント内で相手の困りごとや解決したい課題を聞き出せれば、後に有意義な情報を提供できるため、商談が成立しやすくなります。
問い合わせフォーム
企業のWebサイト上に設置されている問い合わせフォームから営業メールを送信するアプローチ方法です。問い合わせフォームから送信したメッセージは、開封率が高いというメリットがあり、アポイント獲得の確率向上に効果的といえます。しかし、一般的に問い合わせフォームは他企業からの営業用に設置されていないため、心証を悪くしかねない点には注意が必要です。事前に情報を詳しく調べた上で、相手に有益な情報を送信するよう心がけましょう。
SNSチャネル
InstagramやFacebook、TwitterなどのSNSを活用して、リードを獲得したりアポイントを獲得したりするアプローチ方法です。SNSユーザーはどの年代でも年々増加傾向にあることからも、リード獲得施策として有効な手段といえるでしょう。
SNSはサービスごとに特色があるため、アプローチの方法も使い分けると有効です。画像や動画を活用したい場合はInstagram、自社の動向などを発信したい場合はFacebook、短文で気軽にコミュニケーションを取りたい場合はTwitterを使用するなど、サービスの特色に合わせたコンテンツを発信しましょう。
また、SNSは情報収集のツールとしても有効であり、SNSを活用すれば他社の最新情報を容易に把握できます。
BDRの導入方法
ここでは、BDRの導入方法について解説します。
役割とビジョンの策定
まず、自社におけるBDRの役割とビジョンを策定し、BDRを導入する目的を明確にしましょう。営業活動において最終的な受注は外勤営業が獲得するため、BDRの役割・ビジョンを策定しないとBDRの存在意義を見失う可能性があります。営業活動におけるBDRの明確なポジションや役割、展望を共有し、BDRおよび営業活動全体がスムーズに行えるようにしましょう。
人員の配置
BDRには、営業実績がある経験者を配置しましょう。営業で求められるヒアリング能力はBDRでは最重要スキルといっても過言ではありません。営業実績がありヒアリング能力の高い方であれば、そのスキルをBDRでも活かせます。
また、スムーズに外勤営業への引き継ぎを行うためにも、受注までの流れを把握している営業経験者の配置が重要です。
KPIの策定
BDRで成果をあげるには、KPIを策定することも大切です。KPIとはKey Performance Indicatorの略称であり、重要業績評価指標を意味します。具体的には、目標数値への到達率を計測・評価するための指標です。架電数やアポイント獲得数、受注数などをKPIに設定し、目標を明確にしましょう。
まとめ
ここまで、BDRの概要や導入方法について解説しました。
近年、エンタープライズ企業をターゲットにする必要のあるSaaSビジネスが拡大しており、それに伴ってBDRが注目されています。BDRを導入する際は、BDRの仕組みやSDRとの違いを理解し、自社におけるBDRの役割や展望を明確にしておきましょう。
また、BDRには営業実績のある人を配置し、KPIを策定しましょう。それにより、BDRで成果を出せる可能性が高まります。