新規営業メールの書き方を基本から応用まで徹底解説!リスト・件名・本文のコツと改善のポイント
「営業メールの効果がどうもよくない…」「もう少し上手く書けたら…」、こんな悩みを抱えるビジネスパーソンも少なくないのではないでしょうか。新規開拓の法人営業を行う事業者にとって、営業メールは非常に有効な施策のひとつです。しかし、その割に効果的なメールの活用方法やノウハウはまだあまり世の中に出回っていません。
今回の記事では、そんな営業メールを活用し、個人の営業成績やチームの売上を向上させるための具体的なテクニックを紹介していきます。「件名・タイトルのつけ方」や「メール本文の書き方」などメール配信の基本から、新規開拓ならではの「本文に記載すべきポイント」「効果測定の仕方」についても解説するため、初めて営業メールを送信する方でも安心です。
営業メールは効果的に活用すれば、商談や訪問アポなど顧客との接点を効率的に作り出せるため、営業担当者や営業マネジャーにとって成果向上のための武器となります。まずは、営業メールを作成する際の基本を見ていきましょう。
目次
営業メールを作成する際の基本
メールを活用した営業では、反応のあった企業の担当者にアポイントを取った後、訪問、電話を通じての商談、そしてクロージングというプロセスを踏みます。そのため、まずは営業メールに興味をもってもらい返信や問い合わせといったレスポンスを得ることが最初のステップとなります。
営業メールに興味を持ってもらうために必要となることは、基本的に対面営業と同じです。まずは相手に誠実に向き合って安心感を抱かせ、信頼してもらうことです。
そのうえで、あなたが営業する製品・サービスの導入メリットを感じてもらえなければ顧客は返信もしてくれません。相手の信頼をひきだし、しっかりとメリットを伝えるためには、顧客の視点に立って、わかりやすいメールを送ることが重要です。
メール配信の対象には、展示会・セミナーやWebサイトからのお問い合わせなど過去に接点のある企業のメールアドレスを使用することが一般的です。そのほかインターネット上から収集した企業リストやメールアドレスも営業メールの送信対象になります。
どちらのパターンでも重要なのは、顧客から反応を得ないことには営業をスタートできないということです。
営業メールの送信に必要な準備
営業メールの送信に最低限必要なのは、送信対象となる「メールアドレスのリスト」と「送信するメールの件名、本文」です。また、一斉配信でメールを送信したり、お問い合わせフォームから営業メールを送信したりする際は、専用のツールや代行業者でのアウトソースを利用することが多いでしょう。
ハウスリストを活用して送信先の営業リストを作成する
営業メールの返信率を高めるには、送信先に設定する対象顧客(ターゲット)を絞っておく必要があります。送信対象のメールアドレスを抽出するにはCRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)などで管理する顧客情報=ハウスリストを活用するのが効果的です。
CRMは顧客(企業)情報を一元管理できるツールです。登録された情報から、該当する企業や担当者のリストを抽出することで用途に適した営業メールやフォローが行えます。CRMに登録されているデータに必要な項目や抽出条件がそろっていない場合は、それらの名寄せ作業やデータのクリーニングを行います。
また最近ではCRM上のデータと連携して事前に設定したシナリオに応じて営業メールを配信するMA(Marketing Automation)ツールを導入する企業も増えてきました。抽出した配信リストの属性にあわせ営業メールを作成・送信し、開封率・返信率をチェックします。
その結果を反映させて送信対象の企業リストをブラッシュアップすれば、より高精度でターゲットにメールが送れます。
営業リストの作成についてはこちらの記事で詳細をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
営業リストの効果的な作り方とは?管理方法やツールまで一挙解説!
営業メールの件名のつけ方
ここでは、営業メールを送信する際に必ず必要となる「件名(タイトル)のつけ方」について紹介します。基本をおさえることで、改善や自分なりの工夫もしやすくなります。しっかりと把握し普段の業務に活用していきましょう。
件名の良し悪しが開封率を決める
件名及びタイトルは、営業メールを作成するうえで非常に重要な要素です。メールを受信した顧客は、まず受信トレイに表示された件名を見てそのメールを開封するかどうかを判断します。
そのため、営業メール本文に目を通してもらえるような件名をつける工夫が必要になります。言い換えれば、受信者の興味を引く件名をつけるだけで営業文章を記載した本文をみてもらう機会が増え、営業メールの返信率をあげることにつながるということです。
キャッチコピーやタイトル作りに慣れていないと、「どのような件名を作成すればよいかわからない」「自分で判断できない」ということもあるかと思います。そのような場合に、次で紹介するテクニックを使えば誰でも簡単に効果的な営業メールの件名をつけることができます。
簡単に開封率の高いメール件名を作成する方法
開封率の高いメール件名をつけるコツとして、件名の先頭に重要なキーワードを入れるというテクニックがあります。人間が一秒で認識できるおおよそ13文字程度といわれています。
そのため、一瞬で目に入る先頭13文字のなかに、そのメールでフックとなる箇所を入れておくのです。例えば、以下のように【】を用いて、そのメールで推したい箇所を括るという方法が、受け取り手の興味や注意を惹く方法として挙げられます。
【初回無料】採用コスト削減サービスのご紹介
この場合は、「初回無料」という取っ掛かりを強調させて、コスト削減に繋がるサービスを訴求するという文面にしています。フックとなる箇所を左冒頭に持ってくることで、より相手にインパクトを与えるタイトルの構成になっています。
初心者が注意すべきポイントとしては、当初の目的から逸脱しないということがあります。営業メールの目的はあくまで商談や訪問アポを獲得することです。
たとえ開封されたとしても営業につながらなければ意味がありません。そのため、件名は「やみくもにキャッチ-にすればよいわけではない」ということも念頭に置いておきましょう。
営業メールの本文の書き方
ここでは、営業メール本文の書き方を紹介します。件名と本文の内容はリンクしている必要があります。ですが、作成する順序に決まりはありません、件名をつけてから本文を作成してもよいですし、初めに本文を書いてから件名を作成しても大丈夫です。
メール本文での文章構成
書き方のポイントを紹介する前に、本文に記載する内容について紹介します。営業メールの内容も基本的にビジネスメールの形式を踏襲しています。
そのため、本文での文章構成は次の通りに仕上げていきましょう。
- 挨拶・自己紹介
- メールを送付した用件(主題)について
- 顧客が得られるメリット
- アポの時間設定や連絡先の記載
最初に自己紹介をし、あくまでビジネス上の要件で連絡したことを伝えます。上場企業のグループ会社である場合や顧客に大手企業がいる場合は、そのような実績を記載することで信頼度が高まるでしょう。
主題については、最初に結論を書いてその後に詳細な説明という順序で記載します。また、営業メールを送信する目的であるアポ取りの日時指定や連絡先の記載を忘れないようにしましょう。
想定顧客とのメールの回数を極力減らして、相手の負担にならないやりとりを心がけることが大事です。次に営業メールの書き方に関するポイントを見ていきましょう。
「メール本文を簡潔にわかりやすく書くこと」「顧客視点で考えること」が効果のある営業メールを書く秘訣です。
営業メール作成・書き方のポイント
営業メールを書くときの考え方として最も重要なのは、「顧客の視点」に立って営業メールを書いていくことです。この「顧客の視点」をメールに落とし込む方法としては、次のようなものがあります。
特定の個人に向けてメールを書く
不特定多数にメールを送るときには多くの人々に届く言葉を盛り込もうとして、散漫な文章になりがちです。しかし、この方法では誰がメールの対象なのかぼやけてしまい効果が上がりません。
そこで、メールを送るときには、特定の個人を意識して執筆していきます。想定顧客のペルソナを作っておくというのもいいでしょう。
具体的な個人を想定してその人のニーズに刺さるような文面にしていきます。
文章は簡潔にわかりやすく書く
メール本文に記載する文章は1文1文を短く簡潔に書いていきます。営業を目的としたメールに上手い言い回しなどは必要ありません。顧客が「何のメールなのか」「メリットはどのようなことか」「何をすればいいのか」を一読して理解できる文章が理想的です。
メール文章のレイアウトを意識する
文章には閲覧するフォーマットによって見やすいレイアウトがあります。メーラーで表示する際に、横長の文章は適しません。
適切な文字量で改行を入れることで、みやすいメール文章のレイアウトになります。箇条書きや太字などの強調、記号などを利用して情報をわかりやすく提示していきましょう。
記載する情報を絞り込む
1つのメールで打ち出していく主題は基本的には1つだけです。当然のことながら、メールで顧客にしてほしいアクション(アポを予約してもらう、応募してもらう、質問してもらう、など)も1つだけです。
基本的に営業メールは「顧客の興味を引き」「信頼を掴んで」「アクションを起こさせる」手段です。顧客をその気にさせる営業メールを作成することが重要です。
メールの返信率をあげるために書くべき内容
想定顧客の悩み(ニーズ)を解決する情報を提供する
営業メールは当然のことながら自社の商品・サービスの売り込みを目的としています。また、営業としては、自社の商品・サービスがいかに優れているのかを力説したいところです。
ですが、商品・サービスがいかに優れていたとしても、顧客にメッセージが届かなければ何の意味もありません。自社の商品・サービスが顧客に何をもたらすのか、顧客の問題点をどう解決するのかといった点を軸にして文面を構成し、顧客の興味を引き出すことが重要です。
顧客がアクションを起こすことでどのような利益があるのかを書く
想定顧客が文面を読んでメリットを感じたとしても、優先順位が低ければ後回しになってしまうかゴミ箱行きになる確率が高まります。そこで、メール対応の優先順位を高めるための動機づけを行います。
例えば、「期間限定で利用料が割引に」「先着10社限定」といった文面を盛り込み、「今、アクションする理由」を作り出していきます。
メール返信に必要な要素を網羅しておく
顧客がレスポンスする際に必要となりうる情報は網羅しておきましょう。例えば、顧客がメールにポジティブな反応を示したとしても、返信先がなければ、メールをどこに返信してよいのか判断できず、そこでアクションが止まったり、良い印象が消えてしまったりするかもしれません。
顧客が判断に困ることのないように、必要な情報を漏れなく記載しましょう。
営業メールを送信する際のポイント
メールの発信元や形式を設定しておく
実際にメールを送付する際には、以下のことも意識しましょう。
- メール発信元には担当者や企業名を記載する
- HTMLメールを利用して視覚に訴える
送付の際に、信頼性のあるメールアドレスを利用しなければ、そのまま迷惑メールフォルダ行きになってしまいます。信頼性確保のためにも、企業・部署名などを配信元名に設定しておきましょう。
また、HTMLメールを利用すると、開封率を確認できるほか、テキストメールでは難しい画像の埋め込みや表の利用などが可能となり、非常にスタイリッシュなメール体験を顧客に提供できます。顧客の情報把握を手助けできますし、直接問い合わせフォームへ遷移するボタンの埋め込みなどもできるので、アクションに繋がりやすくなります。
ただし、作成するためにはHTMLの知識が必要となりますし、HTMLメールの受信を拒否している人もいるので、マルチパートメール(テキスト・HTML両方含む)等を利用して送るといった手間も発生します。
営業メールを送るベストなタイミング
基本的には想定顧客がメールを開封しやすい時間帯に送付していきます。海外の調査になりますが、全メールの17%が火曜日に送信されており、全体的な開封率も火曜日が18%と、その他の平日と比べて最も高いというデータがあります。
また、多くの人がメールを開封するのは午後というデータもあります。出社してすぐにメールチェックをする人もいますが、生産性の高い朝の時間帯は不要なメールをゴミ箱に移動する人も多くなっていることがうかがえます。[注]
営業メールの効果測定、改善のコツ
営業メールを改善する際の要素は「リスト」「件名」「本文」です。対象顧客が多く含まれるリストを用意し、開封率の高い件名、返信率の高い本文を目指してブラッシュアップしていきましょう。業務のなかで改善を行うポイントとしては、いくつかのパターンで実際に営業メールを送信し、返信率や成約率をみながらPDCAをまわしていく方法がおすすめです。
営業メール配信で計測すべき指標・KPI
営業メールの効果を計測する指標やKPIとしては、メールから訪問アポにつながった件数や受注・成約に至った件数などを使用することをおすすめします。また、件名を評価する指標としては「開封率」を、本文を評価する指標には「本文中のリンククリック率」「返信率」などをもちいます。
長短のテンプレートを用意して改善を容易に
営業メールを送る際には、あとで返信率などの分析ができるように、何パターンかテンプレートを用意しておくと便利です。基本的には長文と短文の2パターンを用意して、返信率に応じて改良し、バリエーションをつけていきます。
短文のテンプレートはすぐに読んでもらえるメリットがある
短文を利用するメリットは、内容をすぐに把握できることです。メールを開封した後にスクロールしなくてもよく、視点の移動がスムーズなので自然に読んでもらえます。
忙しい人にメールを送るときにおすすめです。ただし、短文にもデメリットはあります。
商品・サービスの説明が長文と比べると足りなくなるため、返信を貰えた場合でも、その後のやりとりでミスマッチが発覚することです。短文で営業メールを送るときには、商品・サービスなどの説明をわかりやすくする必要があります。
長文のテンプレートは商品・サービスの説明をじっくりと行える
長文を利用するメリットは商品・サービスの特徴や利用する上でのメリットをより詳細に説明できることです。時間のある顧客向けに送付します。デメリットとしては、長いだけで読むのを諦める人もいることです。
したがって、顧客の興味を持続させるフックを文面に入れ続けなければなりません。長文の方が説明を詳細にできますが、興味を持続させる工夫が必要となる分、短文よりも書くのが難しいといえます。
長文の時には、遷移先のページに詳細内容を記載したURLを本文の冒頭に挿入したり、最後に「お時間ありがとうございました」といった感謝の気持ちを伝える文面を盛り込むなどして、顧客に配慮しておきましょう。
営業メールの例文・サンプル文例
営業メール本文について、例文を紹介します。
法人リスト販売企業の営業メール例文(短文)
株式会社●●●
営業ご責任者さま
突然のご連絡を失礼いたします。
株式会社●●の山田と申します。
ホームページを拝見し、何かお役に立てるのではないかと思い連絡いたしました。
弊社で運営する「●●(サービス名)」は、10億件の求人情報を所有する、●●業界シェアNo.1の企業リストです。
詳細はこちら:<URL>http://●●●●
是非、事例を交えながら詳細、「●●●(製品名・サービス名)」をご説明させていただきたく存じますので、下記の日程内でご都合がよろしい日時はございますでしょうか?
———————————
■候補日程
12月1日(水)10:00〜17:00
12月2日(木)12:00〜18:00
12月3日(金)11:00〜15:00
———————————-
ご紹介時間は1時間程度を考えております。差し支えなければ、上記候補日程内でご都合のいい日程をお知らせいただけますと幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
法人リスト販売企業の営業メール例文(長文)
株式会社●●●
営業ご責任者さま
突然のご連絡を失礼いたします。
株式会社●●の山田と申します。
ホームページを拝見し、何かお役に立てるのではないかと思い連絡いたしました。
弊社で運営する「●●(サービス名)」は、10億件の求人情報を所有する、●●業界シェアNo.1の企業リストです。
「●●(サービス名)」をご活用いただくことで、
貴社のターゲットをより細かく絞り込んだ受注確度の高い営業リストを取得することが可能です。
主な特徴
- その企業が求人にかけた予算(概算)を把握可能!
- 媒体をまたいで名寄せできるから、重複が激減
- 情報の取得からご提供まで最短1日、最新の情報をもとにした営業に直結!
- 求人掲載のURLもリスト化されるので、実際の求人を見ながらの提案も可能!
詳細はこちら:<URL>http://●●●●
是非、事例を交えながら詳細、「●●●(製品名・サービス名)」をご説明させていただきたく存じますので、下記の日程内でご都合がよろしい日時はございますでしょうか?
———————————
■候補日程
12月1日(水)10:00〜17:00
12月2日(木)12:00〜18:00
12月3日(金)11:00〜15:00
———————————-
ご紹介時間は1時間程度を考えております。差し支えなければ、上記候補日程内でご都合のいい日程をお知らせいただけますと幸いです。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
営業メールの書き方については、新規顧客向け・既存顧客向けなどシーン別に使える例文としてこちらの記事でもご紹介しておりますので、是非ご覧ください。
【ノウハウ資料】アポを獲得するための営業文章の書き方《3つのポイント》
アポを獲得するためには、開封率をあげるための「件名」、返信率を上げるための「本文」、そして「送るタイミングが重要」です。本資料では、アポを獲得するための営業文章の書き方のポイントを3つご紹介しております。
資料をダウンロードする