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新規開拓の方法とは?具体的な17の営業手法

新規開拓の方法とは?具体的な17の営業手法

営業担当者にとって、顧客の新規開拓をいかに効率よく行っていくかは重要な課題です。新規開拓の方法や営業手法にはさまざまなやり方がありますが、大きくわけて「自分から営業する」「反響のあった顧客に営業する」「第三者を介して営業する」の3パターンに分類できます。

 

今回は、それら新規開拓のパターン毎に具体的な17の営業手法を紹介します。実施できるもの出来ないものあると思いますが、まずはそれぞれの営業手法についてメリット・デメリットを知り、どうしたら売り上げを上げていくことができるか、自社の商品やサービスの特徴に合わせて使い分けてください。

自分から顧客に営業して新規開拓する方法

自分から顧客に営業して新規開拓する方法

まずは、法人営業の基本であるアウトバウンドセールスやプッシュ型営業といわれる7つの営業手法を紹介します。今まで自社を利用したことがない新規の顧客にアプローチをかけニーズを掘り起こし、顧客となってもらう新規開拓の方法です。

1.飛び込み営業

飛び込み営業は、自社の周りなど、ある一定の地域を決めて飛び込みで新規顧客を訪問し営業開拓を行う方法です。直接顔を合わせて話をするため、顧客の担当者に自分の顔を覚えてもらいやすく、また、自社のパンフレットなどに目を通してもらう機会が生まれることもあります。

顧客側としても、直接来た相手は断りにくいということもあります。しかし、飛び込み営業は、訪問する手間や時間がかかる割にはなかなか話を聞いてもらえるところまではいかないことが多く、コストに見合った効果が得られにくいというデメリットもあります。

最近ではセキュリティの関係もあり、飛び込み営業が受け入れられなくなってきていることも問題点として挙げられます。

2.テレアポ/コールドコール

テレアポは、飛び込み営業に比べ、顧客の電話番号が入手できればすぐに営業できるという点がメリットです。営業組織によっては、営業電話、コールドコール、テレマーケティングという呼び方をする場合もあります。

テレアポでの新規開拓は、メールやFAXなどでの営業に比べると直接相手と話をするので、相手の印象にも残りやすくなります。また、営業担当者が直接行うだけでなく、テレアポ自体を営業代行やコールセンターなどのアウトソース企業に業務委託して、業務を効率化するということも可能です。

しかし、デメリットとしては、電話に出た担当者だけで断られてしまい、顧客側の担当者までつないでもらうのが難しいということです。もしうまくつないでもらって担当者と話せたとしても、訪問につなげるためには高いトークスキルが必要になることが考えられます。

3.メール営業

企業担当者や法人顧客のメールアドレスを入手して、一斉にメールを送るのがメール営業での新規開拓です。アドレスさえ入手できれば、低コストで営業をかけることができるため効率的に見込み顧客を発掘できます。

ただし、数多くのメールを送れたとしても、実際には読まずに捨てられてしまうことも多く、訪問や営業商談にまでつなげることが難しいというのがデメリットです。現在は個人情報保護法もあり、メールアドレス自体を入手することも難しくなってきています。

メール営業についてはこちらの記事で詳細をご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

営業メールで新規開拓!成功させるための手順を1から徹底解説

4.問い合わせフォーム営業

企業のサイト上にあるお問い合わせフォームに、自社のセールスを書き込んで送信する営業手法です。メール営業と同じく、こちらも低コストで数多くの見込み顧客や企業にアプローチできるため効率的な新規開拓の方法です。

セールス内容を一度作っておけば、コピペで何度も利用できるので、新人の営業担当者でも取り組むのが容易な手法でもあります。ただし、用意した営業リストの精査が不十分な場合は担当者にきちんと読んでもらえる率が低く、なかなか実際の訪問までたどり着かないのがデメリットです。

問い合わせフォーム営業についてはこちらの記事で詳細をご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

問い合わせフォーム営業の手順を徹底解説!事前準備から本文のコツ、例文まで

5.SNSからメッセージ送信

FacebookやTwitter、LinkedInといったSNSが発展するとともに、ソーシャルセリングと呼ばれるSNSを活用した新規開拓も営業に活用されるようになりました。SNS上に公開されているプロフィールからメッセージを送り訪問アポを獲得する方法はシンプルなため、新人の営業パーソンでも活用することができます。

なかでも企業の経営者や役職者には、SNSを利用している人が数多くいます。勉強会・交流会などのイベントで名刺を交換し、その後SNSでアプローチしていく方法もおすすめです。

SNSからの営業は通常なかなか会うことのできない人物にもアプローチできることがメリットです。効果を高めるためには、自分自身もSNS上でビジネスに有効な情報を発信するなど、日ごろからSNSの内容を充実させるスキルが求められます。

6.イベントに参加して営業する

商品の展示会や異業種の交流会などに参加して名刺交換し、営業訪問のアポイントをとり新規開拓の商談につなげる方法です。訪問アポを打診するタイミングとしては、名刺交換をしたそのときや当日中など早いほうがよいでしょう。

見込みのある顧客には、印象が薄れないうちにできるだけ早めにアプローチしていくことが大切です。一度直接会っているので、飛び込み営業などと比べて訪問にもつなげやすいことがメリットです。

日ごろからそういった名刺交換の機会を数多く作り、顧客のリストなども整理して、情報を無駄なく活用できるようにしておく努力が必要です。

7.勉強会・交流会を主催

会社とは無関係に自分で勉強会や交流会などのイベントを主催し、新規開拓につなげる方法です。契約済み企業の担当者や商談中の担当者を集めて小規模な勉強会を開催し、紹介やSNSなどからの集客で開催実績を積んでいきます。

製品・サービスに関する勉強会をひらけば、営業ターゲットとなる潜在的な顧客企業の担当者を集めることができます。ただし、開催には時間と労力がかかり、コストもかかるので、受注で得られるインセンティブや歩合の内容を考慮して実施するかどうかを検討しましょう。

8.ビジネスアプリで営業する

yentaやeightなど、ビジネスアプリを使って新規開拓をする営業手法もあります。たとえば、yentaは登録制のマッチングアプリで、自分の業務内容に合った相手をアプリがおすすめしてくれるので、なかなか知り合う機会のない他業種の人と交流することができます。

Eightは名刺交換した後の名刺の情報を管理し、相手との情報交換もできるアプリです。ビジネスアプリでの営業は、今まで知り合う機会のなかった人とも出会えるという点で優れているといえますが、相手の情報がネット上のものだけなので、情報を正しく見極めることが大切です。

反響のあった顧客に営業して新規開拓する方法

反響のあった顧客に営業して新規開拓する方法

ここまでは、自分から新規の顧客にアプローチする方法を見てきましたが、ここからはインバウンドセールスやBtoBマーケティングと呼ばれる営業手法を7つ紹介します。自社の商品に興味を持ってくれた法人顧客や企業担当者に対して新規開拓をおこなうため、商談につながりやすいことが特徴です。

9.Webサイト/ブログで集客

Webサイトやブログで自社の製品・サービスに関する情報を発信し、顧客に関心を持ってもらいます。お問い合わせや資料請求、見積りなどのあった顧客に対して営業をかけていく営業手法です。

この方法では、興味のある顧客自らが必要な情報を探して企業のサイトに訪問するので、商談や成約につながる可能性が高くなります。重要なのは、顧客が検索するキーワード選定や検索順位を上げるSEOに取り組み、自社の製品・サービスを顧客の目に留まるようにするかということです。

ただし検索で上位表示させるためにはある程度の時間もかかります。また、導入事例集やホワイトペーパーなど見込み顧客の個人情報をうまく取得し営業につなげる、リードジェネレーションのための工夫も必要になります。

10.インターネット広告出稿

インターネット広告は、顧客となりうるユーザーの検索情報などを分析し、効率的に製品・サービスを求める顧客へのアプローチができることが特徴です。検索キーワードに対して広告を表示するリスティング広告や外部サイトにバナーを表示するディスプレイ広告は、企業間取引を行うBtoB企業でもよく使われています。

リターゲティング広告では企業サイトを訪問した顧客に広告を表示できるので、営業訪問や成約にもつながりやすくなります。一方で、現代ではインターネット広告は非常に数が多く、いろいろな情報が入り混じっているので、特徴のない製品・サービスの情報は埋もれてしまうというデメリットもあります。

顧客の目に留まったとき、いかに特徴をアピールできるか、導入意欲をかき立てられるかが重要なポイントです。

11.マス媒体や屋外広告、紙媒体への出稿

以前から多く使われている広告手法です。テレビなどの広告や、新聞折り込み、屋外の看板などが挙げられるでしょう。

マスにアプローチする広告は、顧客ターゲットが狭いBtoB企業には向かないことが多く、テレビCMなどに出稿する企業はごく一部にとどまります。幅広く顧客にアプローチできますが、ターゲットを絞ることが難しく、費用対効果の面では問題もあります。

直接反響を得て営業するというよりはブランディングに活用することが多い手法ですが、くり返し顧客の目に留まることで、自社を覚えてもらうという点ではメリットもあります。製品・サービスの認知度があがることで、アウトバウンドセールスでのアポ獲得率があがるといった効果を期待できます。

12.展示会・フォーラムに出展

展示会やフォーラムに協賛・出展して、自社について知ってもらうとともに見込み顧客をつくる方法です。来場した人と名刺交換をしたり、直接パンフレットを渡したりして新規開拓や営業につなげることができます。

来場している人はその展示会の商品・サービスに興味のある人や情報収集目的、競合などさまざまです。すぐに商談とならなくとも定期的なメール配信やセミナー告知などでナーチャリングと呼ばれる育成を行っていくことが重要です。ゆくゆくは、営業訪問につなげられる可能性があります。

一方で、このような展示会・フォーラムに出展するには時間も労力もかかり、費用もかかりますので、費用対効果を考えて慎重に行うことが大切です。

展示会でリードを増やすコツについてはこちらの記事で詳細をご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

展示会でリード獲得を増やすコツとは?リード獲得後の対応なども紹介

13.セミナーを主催/共催

自社のもっているノウハウなどを活用したセミナーを主催し、ターゲット企業の担当者を集客したうえで営業をかける開拓手法です。セミナーのテーマやタイトルを工夫することで、自社の業務内容やサービスに興味のある潜在的な顧客企業の担当者を集めることができます。

一度の機会に複数の参加者にプレゼンテーションを通して自社の強みや導入メリットをアピールできるため、講師は営業担当者が務める場合が多いです。300名以上の大規模なイベントやカンファレンスを開催する場合は、代表や役職者なども含め全社で実施します。

また、単独でのセミナー開催や会場の確保、集客が不安な場合は、同じ属性の企業をターゲットとする会社と協力してセミナーを共同で開催する共催といった方法もあります。

セミナーでリードを増やすコツについてはこちらの記事で詳細をご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

セミナー・ウェビナーでリードを獲得しよう!成功のコツなども紹介

14.ポスティング・DM

製品・サービスの情報を、紙媒体やカタログで発送、ポスティングする方法です。一度送付先の情報を入手すれば、くり返し情報を発送することができ、手間がそれほどかからないのが利点といえます。

ただし、カタログなどのデザインを制作し、印刷するにはやはりそれなりのコストがかかります。さらに、興味がない顧客の場合は開封されずに捨てられてしまうことも多いので、その点も考慮に入れて、どういった顧客に、どの程度の頻度で行っていくかを考えていくことが大切です。

15.広報・PR

いろいろな媒体やメディアに働きかけ、自社の情報を発信していく方法です。自社のブランドイメージを上げるために、各社とも力を入れている分野でもあります。

広告とは異なりメディアに掲載するかどうかや取り上げる内容は媒体が決定します。自社の特徴をアピールしながらも、いかに興味を持ってもらえるかを考え、マスメディアやインターネット、SNSなどの媒体とのリレーションを構築していく必要があります。

企業の導入事例や業界シェア、市場調査などのプレスリリースはBtoB企業でも実施しやすく、反響から商談や営業にもつなげやすい方法です。

第三者を介して営業する新規開拓の手法

最後の章では、紹介や代理店制度など法人営業でも実施しやすい第三者を介した新規開拓の方法を2通り紹介します。どちらの手法も直販で実績をあげていることが前提となります。

自社で顧客開拓のノウハウを保有していない場合は販売網の構築をスムーズに行うことが難しいからです。

16.知人や顧客からの紹介

一般的な営業開拓や広告などでのインバウンドセールスに比べて、知人や顧客からの紹介は、最も信頼性の高い新規開拓の手法といえます。インターネット上での情報には限界があり、内容として信頼性の低いものもあります。

そのため同業者や信頼する知人の紹介であれば製品・サービスの提案についても話を聞いてくれる可能性が高くなります。注意しなければならないのは、もし相手の気分を損ねてしまうようなことがあれば、紹介してくれた知人や顧客にも迷惑がかかり、一気に既存顧客を失ってしまうことにもなりかねないということです。

その分、商談にはいつも以上に慎重な対応が求められます。

17.代理店制度・アライアンス営業

代理店制度とは、自社の商品の販売をしてくれるパートナー企業と契約を結び、代理店として営業をしてもらう手法です。アライアンス営業は、アライアンス(業務提携)によって他の企業と協業し、顧客を開拓する方法です。

どちらも、代理店企業やアライアンス企業の人材や経営資源などを使って営業できる分、自社だけではできない幅広い顧客へのアプローチが期待できます。一方で、どちらの方法も相手方の企業にコストがかかるため、インセンティブやエリア制度など販売促進の仕組みを作る必要があります。

このように、新規顧客を開拓する方法はいろいろありますが、大切なのは、ただ商品を売ることだけを考えるのではなく、顧客が何を求めているか、そのニーズをくみ取ることです。製品やサービスを買ってもらうお願い営業ではなく、顧客が求めていることを充足できるソリューションや営業提案こそが、今の時代には求められているのです。

新規開拓のためのオンライン営業施策

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この記事を書いた人

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a.kusanagi

エッジテクノロジー株式会社AIプロダクト事業部マーケティング担当。営業ノウハウをわかりやすく記事にまとめてお届けします。

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